2020年5月16日

P-CFO 眞本 崇之さん

ITを切り口に中小企業の経営管理をサポート

コンサルタントとしての立ち位置を変えてくれた養成塾

中小企業診断士
眞本 崇之(しんもと たかゆき)さん

今回ご紹介するのは、パートナーCFO養成塾の第1期生(2019年1月~5月)の眞本崇之さんです。
IT業界ご出身の眞本さんは、中小企業診断士の資格を取得された後独立し、中小企業向けのコンサルティングセミナー講師としてご活躍されています。
眞本さんには、これまでのキャリアと中小企業診断士からみたパートナーCFOについてお話を伺います。

【プロフィール】
千葉県出身。大学卒業後、IT企業に入社。プログラマー、SE、プロジェクトマネジメント、新規事業の企画・マーケティングなどを担当。在職中の2011年に中小企業診断士登録。2012年に退職、中小企業診断士として独立し、現在に至る。
(眞本さんのHP)https://takayuki.shinmoto.info/

【IT業界から中小企業診断士へ転身】

大学で数学を専攻された後、IT企業に就職されましたね。

そこまで数学好きというわけでもなかったのですが、高校2年の模試で全国4位を取ったことがあります。それはたまたまだったのかもしれませんが、そこから自信がついたということはあります。
大学で数学を専攻したのは偶然ですが、パソコン作業には興味を持っていましたし、 IT業界論理的思考力の必要な仕事だと考え、数学科で学んできた自分には適性があると思い、就職活動のときはIT業界を回りました。

会社には約10年いたのですが、まずプログラマー、次はSE、そのあとはマネジメント側・管理部門に異動して、新規サービスの開発、マーケティング、計数管理などもやりました。

中小企業診断士の資格を取得しようと思ったのはなぜですか。

一般的にIT企業に勤めている方は、現場の開発業務をずっと続ける方は多くありません。
たとえば、プログラマーであれば40歳でも50歳になってもずっとプログラマー、という方はほとんどいません。年齢を重ねると管理系やマネジメント系、コンサルに移る方が大半です。

そこで、私も将来に向けて何かないかなと探しているときに、中小企業診断士の資格を知りました。
試験科目を調べてみると、マネジメント、経済、財務、法務などバランスよく学べる資格ですし、合格すると会社から報奨金が出ることも魅力でした。

独立しようと思った理由はなんですか。

資格取得に向けて勉強しているときは自己研鑽の意味合いが強く、独立しようとは全く思っていませんでした。
従って、2011年に資格登録しましたが、当初はいわゆる「企業内診断士」として様々な研究会に所属して、自己研鑽や人脈作りに励んでいました。

ところが、2012年3月くらいに子供を授かり、自分が父親になるとわかって、考えが変わりました。
仕事を辞めるなら今のタイミングかなと。

お子さんが生まれるタイミングでは思いとどまる方も多いと思いますが、思い切りましたね。

中小企業診断士として食べることができるのは3年くらい経ってから、という都市伝説めいた話があるのですが、もしそうであれば、最初の1~2年は適度に仕事をしながら子育てができるのではないか、と考えました。

振り返るとかなり甘い考え方かもしれませんが、子供が小さい時はそのときしかありませんし、大きくなって「パパ、嫌い」と言われても取り戻せませんので、それだったら最初からパッと踏ん切りをつけてやろうと思い、独立を決めました
思いついたらとりあえず走ってみる、というのが私の性格なんです。

【中小企業向けのコンサルティング】

独立されてからはどのような業務をやってこられましたか。

最初にいただいた仕事は、ITに関する研修講師でした。
あとは先輩診断士のお手伝いをしたり、商工会議所や自治体の相談業務などを受託しながら経験を積んでいきました。
最近では、顧問先のほか、各種補助金申請を含む資金調達・資金繰りの支援と、各支援機関の専門家派遣1/3ずつくらいを占めます。
また、各種インターネット活用による販売促進支援も得意にしています。とくに中小企業では、ITに馴染みがある方はあまり多くありません。

支援先の業種は様々ですが、理美容室・エステなどのサロン系が最も多いです。最初のきっかけは理美容室業界に強い先輩診断士の方からのご紹介でしたが、その後は自然と増えてきた感じです。

【パートナーCFO養成塾との出会い】

受講されたきっかけや理由はなんでしょうか。

塾頭の高森さんとは、中小企業診断士の研究会を通じて知り合いでした。
高森さんがFacebookに養成塾の投稿をされたのを拝見して、面白そうだと思い説明会に参加しました。

内容を聞いてみると、私がやっている仕事に関わることが多いので、それらを強化しいろいろと組み合わせて行けば、新たな立ち位置で仕事ができるのではないか。そんな可能性を感じました。
また、CEOは知っていましたがCFOはあまり馴染みがなかったため、CFOのような役割や働き方があるんだと興味を覚えたこともあります。

【パートナーCFO養成塾で得たこと】

受講されてみていかがでしたか。

パートナーCFOというのは、仕事や事業への関わり方の観点というか、コンサルタントとしての立ち位置が従来の自分とは違うと感じました。
一般的なイメージですが、コンサルタントというのは、その企業の課題を見つけてその解決策を提示するものの、それを実行するのは社長さんや従業員です。悪く言えば、コンサルタントは口だけ出す存在。人的資源の厚い大企業であれば、そのような役割分担も問題ないでしょう。

しかし、私がお付き合いしているのは中小企業であり、大企業のように人材は多くありませんし、社長さんも現場で陣頭指揮をしているケースが多い。
私が細かくアドバイスしても、それをやる時間がないとか、そもそもやっていただけないこともあります。だからといって、その実行までを私がやるわけにもいかない。
そんなもどかしさをずっと感じていましたが、パートナーCFO外部専門家でありながら、内部に入って経営に参画するということを聞いて、こんな立ち位置で仕事ができることは素晴らしいと思いました。

個別の講義の中で印象に残ったのは、会議体の設計と運営(注)です。
正直言って、これまで会議体についてはあまり重視してきませんでしたが、PDCAを回すためには重要だとあらためて認識しました。
また、コンサルティング、コーチング、ディスカッションパートナーの、それぞれの特徴や違いを学ぶことができたのは非常に良かったです。

単にスキルがアップしただけでなく、先ほど申し上げた私のコンサルタントとしての立ち位置やクライアントに対する立ち居振る舞い方に、大きな気付きを与えてくれました。

(注)「中小・ベンチャー企業 CFOの教科書」(高森厚太郎著 中央経済社)
 P64 :会議体の設計
 P90 :経営者コーチング T-GROWモデル
 P157:幹部ミーティングのファシリテーション

塾生同士の交流のようなものはありましたか。

塾生のみなさんから得ることも多かったです。
たとえば、ある方の自己紹介では自分の働き方は、「育てる、手伝う、自分でやる」の3つあるとおっしゃっていました。

「育てる」は文字通り、その会社や個人を育成すること。
「手伝う」は、他社の経営や事業をサポートすること。
「自分でやる」は、自分自身の事業(会社)をやること。

私の仕事に当てはめると、「自分でやる」はありませんが、コンサルティングは「育てる」要素も入った「手伝う」、創業塾は「育てる」に当たります。
このお話も自分の中ではグサッときて、私の立ち位置を考えるにあたり大いに刺激をもらいました。

【これから目指すこと】

今後の眞本さんのビジネスの方向性については、どのようにお考えですか。

最近は、新型コロナウィルスの影響でZoomが急激に普及していますが、このZoomブームの前からZoomを使ったグループコンサルティングのようなことができないかと考えていました。

たとえば、美容室ではその業界共通の悩みや課題があるので、その特定の課題について1対1の対面のコンサルティングではなく、1対多でかつZoomでやれば、クライアントにも私にも双方効率的でメリットがあると思っています。

面白いアイデアですね。新型コロナウィルスといえば、大半の中小企業が大打撃を受けていると思いますが、これについてはどうですか。

個人的には、私の業務にとって新型コロナウィルスは、ビジネスチャンスだと思っています。
会社の規模に関わらず、AfterコロナやWithコロナと呼ばれる時代は、これまでのビジネスモデルは通じなくなるので、今まで誰にも相談をしてこなかったような企業からの相談が増えています。
その際に、私の得意分野であるITを切り口とした新しい提案もできると思います。

1つ例に挙げると、政府や都道府県が企業や個人の支援のために、補助金や融資制度を急ごしらえで整備していますが、中小企業のみなさんは全然理解が追い付いていないのが現実です。
そこで、絶対にニーズがあると予測して、持続化給付金に関するセミナーをZoomで開催することにしました。
一刻も早く作ることに意義があると思ったので、制度の詳細発表前に募集サイトをWordPressで作りました。
このセミナー自体で儲けようとは思っていないので、無料で開催します。

危機的状態にある中小企業をサポートしたいという気持ちもありますし、なにより自分がやるべきだと思ったことに対して、どれだけの反応があるのかを試してみたいという気持ちがありました。4月28日から5月中旬までほぼ毎日開催しますが、手前の日からどんどん予約が入り始め、初日は既に満席です。(取材日 4月20日)

【眞本さんが作成した募集サイト】

https://takayuki.shinmoto.info/zoom-seminar-kyufukin/

【「『ありがとう』と言われる仕事をする」を理念を掲げて】

今後の目標はありますか。

いつかは「自分でやる」=起業したいと思っています。現時点では具体的なことは何もないので、これからじっくり考えていきます。
会社勤務のときは、私もサラリーマン、クライアント側も大企業の一員なので、仕事も今思えばルーティン的な仕事でした。中小企業診断士になって一番うれしかったことは、クライアントから「ありがとう」と感謝されたことです。中小企業支援(コンサル)の仕事をしよう、と決めたのは、自分のやったことの対価として感謝されることにやりがいを感じたからです。

そこで、私の理念として「『ありがとう』と言われる仕事をする」を掲げています。
その理念をこれからも掲げながら、「経営管理の外部専門家にして、経営管理のパートナー」として、日本の中小企業のために頑張っていきます。

<取材・文>第2期生 森本哲哉
取材日:2020年4月20日

【眞本さんの仕事道具】

眞本さんお気に入りの仕事道具は、makuakeで購入したビジネスリュック「The 48Hr Switch」です。

「革の質が良く、シンプルで、飽きのこないデザインで、会う人から『そのバッグ、かっこいいね』と褒められます。
特に、美容室経営者などは、おしゃれにも気を使っている方が多いので、そうした方から言われるのは、嬉しいですよね。
先日、地下鉄に乗っていたら、見知らぬ男性に「そのバッグ、かっこいいですね!どこで買ったのですか?」と、声をかけられたこともありました。日本であまり出回っていない商品であるので、なおさら嬉しい気分です」