パートナーCFO紹介(松井孝允さん)を掲載しました

「パートナーCFOってどんな人?」
「実際の仕事はどんなことしているの?」

P-CFO協会では、パートナーCFOとして活躍する方のキャリアや仕事内容、そして人物像に迫るインタビュー記事でご紹介していきます。

今回ご紹介するのは、大阪・北河内を拠点に、税理士業務コンサルティング業務を展開されている松井孝允さんです。

大阪在住の松井さんですが、なんとP-CFO養成塾第3期では東京リアルクラスへ毎回新幹線で通われていました!

「確定申告時期にヒマになる税理士」を目指しているという松井さんが歩んできたキャリアや、P-CFO養成塾で得たものは何か、ぜひインタビューをご覧ください。

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P-CFO 松井 孝允さん

知は力なり
税理士+パートナーCFOでIPOをフルサポート

松井孝允税理士事務所
松井コンサルティング合同会社 代表
松井 孝允 (まつい たかみつ)さん

今回ご紹介するのは、パートナーCFO養成塾の第3期生(2020年6~11月)の松井 孝允(まつい たかみつ)さんです。
大阪・北河内を拠点に、税理士業務にとどまらず幅広くコンサルティング業務を展開されている松井さんに、これまでのご経歴やパートナーCFOに関して伺いました。

【プロフィール】
大阪府大東市出身。大学院では2つの修士課程(法学および経営学)を修了、税理士資格も取得。食品会社やシステム会社等を経て、現在は税理士事務所とコンサルティング会社の代表を務めている。
(松井孝允税理士事務所)
https://matsuicptaoffice.com/
(松井コンサルティング合同会社)
https://matsuiconsulting.com/

知は力なり、孫子の兵法、松下幸之助、ボランティア

現在の業務内容を教えてください。

税理士業務は当然、「松井孝允税理士事務所」でやっていますが、パートナーCFOの業務を行う母体や経営革新等認定支援機関が行う業務は、「松井コンサルティング合同会社」で行っています。

エリアは、基本は地元の北河内密着ですがとくにこだわりはなく、大阪府の他地域や兵庫県にも出没しています。
ちょっと言いにくいのですが、北河内は「サービス一流、価格三流」が求められる土地柄です(笑)。品質も価格もその要求水準は、大阪市内よりも高いと思います。

松井さんの2つのホームページを拝見すると、松井さんの仕事に対する信念や想いがいろいろと伝わってきます。
たとえば「松井コンサルティング合同会社」のホームページのトップ下に、「Doctus in se semper divitias habet.」と書かれていますが、これはどのような意味ですか。

「知は力なり」。これは私の座右の銘です。
元々は、古代ギリシャの哲学者プラトンの言葉(ラテン語)です。
(注)直訳は「知者はみずからの中に富をもつ」(プラトン著「パイドロス」)

そして、孫子の「彼を知り己を知れば、百戦危うからず」

「知は力なり」にも通じますが、ビジネスで勝つためには、まずは自分自身と顧客を知る必要があり、私はその「知る」についてクライアントに貢献したいと考えています。

「知恵」も「知る」も一人では限界があるので、いろんな人たちを結集して何事も乗り越えて行きたい、そして合理的に戦った結果、勝つ、ということにこだわっています。

松下幸之助については、「成功するまであきらめなかった」と引用されていますね。

ここ北河内は松下(現パナソニック)の地元なので、多少は忖度しておいた方がいいかなと思いまして(笑)。
やはり、「地元の偉人が諦めずにやった結果成功した」というのは、ビジネスに関わる人にとっては非常に説得力があります。

ボランティア活動も積極的ですね。

大阪家庭裁判所の参与員近畿税理士会の紛議調停委員をやっています。
参与員とは、法律の素人が裁判官に対して意見を述べることが職務です。素人とはいっても裁判官ではないという意味ですがね。
紛議調停委員とは、税理士とクライアント間の紛争を調停する役割です。
どちらも税理士会の方から依頼されて引き受けました。私は頼まれると「はい」か「Yes」しか言えない性格なもので(笑)。
本業とは直接の関係はありませんが、参与員の方は裁判所の実態を知ることができて面白いです。

[オンラインでのインタビューの様子]

学者の道から民間への転身

次にこれまでのご経歴を伺います。大学院では法学と経営学のダブル・マスター、税理士資格を得ても民間企業に就職し税務とは直接関係ない仕事を幅広く経験するなど、かなりユニークですね。

元々は法学者を目指していたのですが、学者の道はちょっと厳しいということがわかり、会計の世界に方向転換をしました。

法学と会計は分野こそ異なりますが、頭の使い方や考え方はよく似ていると思います。どちらも、条文や規程をどう当てはめていくかがポイントであり、ロジカルな思考が必要とされます。

税理士資格を取得しましたが、その当時はすぐに独立・開業ということは考えておらず、若い間は民間企業でいろんな経験を積み、開業するにしても50歳くらいかな、と思っていました。

学生の頃から、ロジックや知恵ということにこだわりがあり、強みとされてきたんですね。

情報システム、エクイティファイナンス、新規事業の立ち上げ

最初の就職先は食品会社で、情報システム部門や経営企画部門を経験されました。

とくにITに詳しいというわけではなかったですが、やるからにはプログラミングも勉強しました。当時は実際に仕事でプログラムを書いていました

ちょうどWindows 95をきっかけにオフィスにPCが急速に普及した時代でした。コンピュータはフィーリングでは動きませんので、ここでもロジカルな思考が鍛えられたと思います。

そのあと経営企画部門に異動し、エクイティファイナンスを担当したときは証券会社との窓口になりました。そのときの上司は高みの見物で、私が矢面に立つことになったのですが、億円単位の資金調達を成功させたときは、社内で高く評価してもらいました。

また、当時は食品業界では残留農薬が問題になっていたのですが、残留農薬を分析するという新規事業も立ち上げました。

この最初の会社での様々な経験が、後々役立つことになります。

人事総務、IPO業務

2社目以降も税務・会計以外のいろんな分野の仕事をされていますね。

2社目はシステム会社でした。経理業務をやるとかと思いきや、欠員が出た人事総務部門をやってくれと言われました。私としてはいい経験になると思い引き受けました。

その部署では人事制度設計などを担当しましたが、それ以外にも法務などいろいろと首を突っ込んだせいか、その会社を退職する際には、「辞めるのであれば、君の代わりを3人用意しろ」と言われました。

3人分の仕事をされていたと評価されたんですね。

3人分の給料はもらっていませんでした(笑)。

システム会社を退職したあとは、2006年に株式公開(IPO)を準備していた会社に入社しました。最初は内部監査だったのですが、いつの間にかIPO事務局長のような立場で証券会社や監査法人と折衝することになりました。

その会社での業務は2008年に終わったのですが、それまでの仕事ぶりを評価いただいたのか、証券会社の方から誘われて別のIPOを準備している会社に執行役員として入社し、IPOを担当することになりました。

サラリーマンとしてIPO業務に複数携わる人は珍しいのではないですか。

そうですね。最初の会社でのエクイティファイナンスを担当したことが活きています。IPO業務は私の強みの一つだと思います。

2社目のIPOを見届けて、2011年に税理士事務所を開業しました。サラリーマン生活は12年でしたが、一般的な税理士では経験できないキャリア的にはかなり詰まった密度の濃い時間だったと思います。

パートナーCFO養成塾との出会い

税理士開業9年にして、パートナーCFO養成塾に申し込んだのはなぜでしょうか。

私のクライアントは、基本的に中小企業の経営者のみなさんです。
私としては、本当にたくさんのことをやらなければならない経営者のために、「経営管理全般を丸ごと引き受ける」、「管理本部長代行として、総務部長や人事部長の役割を担う」、「経営の循環器専門医」などのコンセプトを掲げていました。

「経営の循環器専門医」については、税理士やコンサルタントの中では、企業の「ホームドクター」を名乗る方が多いのですが、ホームドクターは治療の方向性を決めるだけで、その後は専門医に任せて終わりです。私は最後まで経営者の伴走をして支援したいので、「お金は経済の血液」と言われていることから、「経営の循環器専門医」を思いついたのです。

このようなことを名乗り始めた頃に、Facebookで「士業を超えた」というキャッチコピーと共にパートナーCFOの広告をみて、「これは自分が考えていた方向性にかなり近いのではないか」と思い、パートナーCFO養成塾の門を叩きました。

松井さんの当時のコンセプトに何か物足りなさを感じていたのでしょうか。

物足りなさというか、私はなぜパートナーCFOというコンセプトにたどり着かなかったんだろうか、という疑問はありました。

パートナーCFOとは、要するに財務の責任者も兼ねて、しかももっと攻めるイメージがあり、コンセプトとしては非常にわかりやすい

自分が思い至らなかった理由を探りたい、ということもありました。

パートナーCFO養成塾で得たこと

受講中は大阪から「新幹線通学」をされていましたね。

講座はリアルとオンラインの両方用意されていたのですが、「このような講座に参加する人は一体どんな人たちなのか」という興味もあって、新幹線を使ってリアルの回に参加しました。オンラインではメンバーのことが肌感覚でわかりにくいので。

実際、メンバーのみなさんは面白い人が結構いましたね(笑)。キャリアもスキルも多彩でした。

受講期間中に実際の仕事に結びついたこともあったようですね。

日本パートナーCFO協会経由で、ある会社が「ものづくり及び革新的サービス補助金」を申請するに当たり支援するという案件があり、無事採択され補助金を得ることができました。全国の平均採択率は39%程度でした。

採択された大きな理由はその会社のサービスがしっかりしていたことであり、私は大したことはしていませんが、日本パートナーCFO協会からの紹介案件だったので、採択されなかったらどうしようかとヒヤヒヤしました(笑)。

講座を修了してどのような感想をお持ちですか。

受講前は「パートナーCFOは自分の方向性に近いのではないか」と思っていたわけですが、受講してみると「パートナーCFOとは、最初から自分がなろうとしていたものそのもの」でした。

コンセプトとしても方向性としても一番しっくり来ましたし、ネーミングが一番ですね。名は体を表すと言うくらいですから。

[養成塾でのコーチングの様子]

企業の創業からIPOまで、全プロセスを支援したい

今後の松井さんのビジネスの方向性については、どのようにお考えですか。

現状では税理士業務が中心なので、とくに確定申告の時期は忙しくなります。
今後はパートナーCFO業務を増やすことによって、「確定申告時期にヒマになる税理士」を目指しています(笑)。

具体的には、IPOを目指す企業の創業からIPO実現までの全プロセスに亘って、経営者の伴走者として支援したいですね。

そのためには、まずはパートナーCFOという存在を広めるとともに、クライアントに提供できるサービスをパッケージ化するなどして、パートナーCFOがサービスとして受け入れられるようにすることが大切だと思います。

先ほども言いましたように、北河内は「サービス一流、価格三流」を強く求める土地柄ですが、パートナーCFOは「サービス一流、価格も一流」にしたいですね。

パートナーCFOを大阪からも盛り上げていくために、協力者を何人か仕込んでいるところです。

ぜひ、次の第4期養成塾も松井さんのネットワークで広めてください。
本日はどうもありがとうございました。

(編集後記)
インタビューが終わるやいなや、松井さんから「今日は笑いが少なかったかもしれません、申し訳ない。笑いのスキルがまだまだでした。」と言われてしまいました。謝るのはインタビュアーの私の方でして、松井さんの笑いを引き出すスキルが未熟でした。もっと修行します!
「知の力」と「笑いの力」を合わせ持つ松井さんの、パートナーCFOとしての今後の活躍に乞うご期待です。

<取材・文>2期生 森本哲哉
取材日:2021年2月11日