【開催レポート】東北発AI SaaS起業家が実践する「地方経済の活性化につながるアライアンス成長戦略」
2025年6月に第66回P-CFOサロンを開催しました。
今回のゲストは、起業家/投資家/生成AIの実践家でもある株式会社MAKOTO Prime 代表取締役・竹井智宏さん。
仙台を拠点に、起業家・経営者支援、スタートアップ投資、そして生成AI活用まで——
P-CFO的視点からも学びの多いテーマをお話しいただきました。

地域に根ざした支援のリアル
今回のサロン前半では、竹井さんより、震災当日の様子から、
「何を思って行動し始めたのか」というリアルな体験を踏まえてお話しいただきました。
竹井さんは、東日本大震災を機に地元・東北での支援に携わるようになり、以来10年以上にわたって起業支援やエコシステム構築に取り組んでこられました。
具体的には、仙台市や大学との連携によるスタートアップ支援、18億円規模のVCファンドの組成と投資育成、「仙台スタートアップ・エコシステム推進協議会」の設立など、多方面で地域に根ざした実践を積み重ねていらっしゃいます。
またご自身も起業家として、アライアンス型のチーム編成でMAKOTOグループ7社体制を築き、事業を拡げてきました。
中小企業のための生成AIとは?
サロン後半では、竹井さんご自身の起業家としての新たな挑戦でもある、生成AIを活用したSaaSプロダクト開発についてお話いただきました。
生成AIの急速な進化を背景に、
「情報格差が社会格差を拡げる前に、誰もが使えるAIをつくりたい」
という想いから立ち上げたのが、カルクワークス/カルクチャット/カルクペーパーなどのツール群。
これは単なる技術起業ではなく、“中小企業の現場に本当に届く”生成AI活用を実現する、社会起業家的な取り組みです。
IT人材の不足や業務負荷に悩む地域の中小企業の課題を、プロダクトとアライアンスの力で解決しようという姿勢に、参加者からも深い共感が寄せられました。
さらに当日は、外部専門家向けの提携プログラムについてのご案内もあり、P-CFOとしての関わり方や、支援の可能性を考えるヒントが得られた参加者も多かったようです。

Q&Aでは実務のリアルが続々
質疑応答では、「どのように届けているのか?」「開発は誰が、どういう経緯で?」と、MAKOTOでの経営者ネットワークの運営から、プロダクト開発の裏側に至るまで、多岐にわたる質問に対して丁寧にご回答いただきました。
参加者の声より
「地方創生において『自分ができることは何か』という問いに正面から向き合い、それに徹することで、未来を切り開いてきた、その志に感銘を受けました。
また、生成AI活用格差が、社会経済格差を生まないようにする取り組みに強く共感しました。人手不足の中小企業にとって、本当に必要なのは『社員レベルで使えるAI』だと実感しました。必要とする企業に提案したいですし、今後の展開にも目が離せません!」
「アライアンスの取り組みと生成AIでの起業が、どちらも地方創生に関わる内容であり、竹井さんの熱量と、現場に根ざした活動姿勢に強く刺激を受けました。
とくに、生成AIを“使いやすいかたち”に落とし込む発想は、単なる技術提供ではなく、現場の課題に寄り添う真の支援だと感じました。自分自身も、支援者としてAIを活用するだけでなく、活用法を伝える側のスキルを磨いていきたいと思いました」
当協会ではP-CFOサロンを毎月開催。その道の一人者のゲストをお呼びし、P-CFOメンバーへの研鑽と活躍のベースキャンプとなるイベントを定期的に開催しています。
今後もP-CFOメンバーの活動に役立つ情報をお届けしてまいりますので、どうぞお楽しみに!
参考リンク
MAKOTOアライアンス https://mkto.org/system
カルクワークス https://makotoprime.com/calqworks