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P-CFOサロン2026/6を開催しました

【開催レポート】ファミリービジネス当事者のリアルから学ぶ 後継者不足時代の「事業承継支援」とは

2026年6月に第78回P-CFOサロンを開催しました。

今回は、2009年から2020年まで大塚家具の社長を務めた、株式会社クオリア・コンサルティング代表取締役社長の大塚 久美子氏をゲストにお招きし、「後継者不足時代の事業承継支援とは」をテーマにご講演いただきました。

人口減少・産業構造の変化が進む日本において「後継者不足」は中小企業経営の大きな課題となっています。本サロンは、ファミリービジネスの当事者として大塚氏が直面した葛藤や意思決定のリアル、そして支援者に期待される役割について深く掘り下げる機会となりました。

ファミリービジネスと事業承継

冒頭では、大塚氏が自身のファミリービジネスの体験を大塚家具で話題になったニュースを取り上げつつ、解説頂きスタート。その後、ファミリービジネスの特徴が伝えられました。

日本の企業の95%以上が同族経営であり、100年以上の長寿企業が多いことは、日本のファミリービジネスの際立った特徴です。ファミリービジネスは非経済的な価値観・ビジョンの継承、個性的なブランド形成などの正の側面がある一方で、経済合理性の軽視、リスク回避傾向の強化といった負の側面があることも指摘されました。
特に、現代の長寿化により世代交代サイクルが30年から50年に延び、ビジネス環境の変化スピードとの不一致が大きな問題になっているという分析も示されました。

家制度と株式会社制度の矛盾――価値観の対立構造

大塚氏は、日本のファミリービジネスに固有の問題として「家制度」と「株式会社制度」の二重構造を挙げました。法的には会社は株主のものであるが、日本社会では「家業・家財は家のもの」という感覚が根強く残っており、この二重構造が事業承継の複雑さにつながっているといいます。
創業者は「個人の自己実現として会社を創った」という価値観を持つ一方、承継者は「会社はみんなのもの」として認識しています。このような根本的な価値観の違いが、表面的なビジネス上の対立の背後にあることが多く、支援者はこの点を見抜くことが重要だと強調されました。

質疑応答――ファミリービジネス支援者への期待

質疑応答では、「外部支援者であるパートナーCFOに対して、何が期待されるか」が議論され、特に次の二点が大塚氏から強調して伝えられました。

一つ目は、「悪質なプロフェッショナルからの保護」。内紛が生じると、経営権をめぐってビジネス的動機で動く外部のプロフェッショナル(IR会社・弁護士・コンサルタント等)が介入してくることがあります。これに対抗するためには、平常時から信頼できる専門家との関係構築が不可欠だと説明されました。

二つ目は、「ビジネス面だけでなく感情面への共感」です。ファミリービジネスの当事者は、仕事上の悩みを家族に打ち明けられないことが多くあります。日頃から相談できる存在、危機には一緒に戦える存在としての支援者の役割が、何よりも心強いと語られました。

参加者の声より

実際に事業承継に係るメンバーが多数参加されており、次のようなコメントが寄せられました。

ファミリービジネスの事業承継に関わる仕事をしています。今回は後継者がどう向き合ったらいいかのヒントを得ることができました。ファミリービジネスは短所も長所もありますが、改めて長所に目を向けることができました。今後もファミリービジネスの事業承継が1つでも多く成功するように支援していきたいと思います」

ファミリービジネスの位置づけや、オーナー企業が抱えがちな課題体系的にご説明いただき、大変勉強になりました。大塚家具でのご経験を伺って、今後私たちが企業をサポートをする上でのヒントをいただきました

当事者としての体験、及びそれを高い視座から分析した内容の濃い講義でした。事業承継に関する相談が増えているので、今回の学びを実務に活かしたいです」

コメントからも、実務に携わる参加者にとって大きな示唆となる内容だったことがうかがえました。

まとめ

当協会ではP-CFOサロンを毎月開催。その道の一人者のゲストをお呼びし、P-CFOメンバーへの研鑽と活躍のベースキャンプとなるイベントを定期的に開催しています。
今後もP-CFOメンバーの活動に役立つ情報をお届けしてまいりますので、どうぞお楽しみに!

参考リンク
大塚久美子氏著書:後継者不足時代の事業承継 当事者の視点で考える (集英社、2025年11月発行)
https://www.amazon.co.jp/dp/4087213862

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