2023年2月23日

P-CFO 清水 謙伍さん【前編】

東京と香川の2拠点で活動中。
養成塾をフル活用し、地方の中小企業を財務面からアップグレード!【前編】

清水ビジネスパートナー株式会社 代表
清水 謙伍(しみず けんご)さん

今回ご紹介するのは、パートナーCFO養成塾の第4期生(2021年6月~11月)の清水謙伍さんです。
清水さんは香川の建設機械メーカー勤務時代、20代で中小企業診断士試験に合格。その後東京のコンサルファーム勤務、数か月の副業期間を経て、2021年2月に独立起業されました。独立後すぐに法人化されるほど順調に事業を伸ばす中、パートナーCFO養成塾のフルサポートコースを受講されました。
清水さんからは、「東京・香川での2拠点活動」と「P-CFO養成塾のフルサポート受講」の2つのトピックについて、詳しくお話をお伺いしました。
今回は前編「東京・香川での2拠点活動」をお届けします。

【プロフィール】
香川県高松市生まれ。
東京理科大学理工学部卒業後、香川県の建設機械メーカーに入社。生産管理業務に従事する。
2014年に中小企業診断士資格を取得。2017年より東京のコンサルティングファームで事業再生や資金調達などのコンサルティング実務の経験を積み、2021年2月に独立。
現在は東京と香川を拠点に「地方の中小企業の財務部長代行」として、経営者のお金と事業に関する困りごとを解決することで、経営者が社長業に注力できる経営環境づくりを支援。あらゆるステークホルダーから高評価を得られる地域ナンバー1企業の創生に心血を注いでいる。

清水ビジネスパートナー株式会社 https://shimizubp.com/

1.今の仕事について

コロナ禍の2021年に独立。地元・香川と東京の2拠点で年商数千万円を達成

清水さんは新型コロナの感染拡大の真っただ中、2021年に独立起業され、現在東京と地元香川の2拠点でご活躍中です。お一人で年商数千万円を達成されているとのことですが、独立起業された背景と現在の事業内容について教えてください。

私は29歳で中小企業診断士(以下、診断士)の資格を取得して、登録したのが30歳、2015年頃から本格的に独立起業を考えるようになりました。

大学生の時に同級生が中小企業診断士の資格を取ってコンサルファームに就職する姿を見て以来、経営コンサルタントの仕事に興味がありました。ですが、大学卒業後すぐに自分が活躍できるイメージが持てず。大学卒業後に、香川の会社で働きながら診断士を取得しました。

地元で独立して活躍される診断士の先輩方と接するなかで独立起業を考えるようになり、そのための修行と考え31歳で東京のコンサル会社に転職しました。コンサル会社では財務面の支援を中心に経験を重ねてきました。

香川と東京の2拠点はずっとやりたいことだったのでしょうか。

はじめから2拠点で構想していたわけではないです。もともと地元で仕事をしたくて『香川で独立するにはどうしたらいいか』をずっと考えていました。独立するタイミングで『オンラインでの支援もできるから、香川だけにいる必要がない』ということ、『東京に拠点があれば色々動きやすいな』と考えた結果、今の形になりました。軸はどちらかというと、地元の香川の方で、今の生活も地元・香川でどうしたらいいかを中心に考えた組み立て方をしています。

【東京事務所:共有打ち合わせルームは開放的なスペース】

コンサル会社勤務中に補助金の相談が急増! 国の政策をとらえて一気に独立

独立起業のタイミングは、どのようにして決めたのでしょうか。

コンサル会社に勤めていた2020年から、副業として補助金申請の支援をする機会があったのですが、政府がコロナ禍で厳しい経営環境にある中小企業支援のための補助金制度に力を入れるという方針となり、私のもとにも20件ほど補助金関連の相談が来ました。『いずれは独立しよう』と考えていたところに引き合いが増えてきて、副業の収入が2~300万円と積みあがってきていたこともあり、2021年2月に独立起業しました。もちろん相談が来た20件すべてが案件になったわけではないですが、独立後はさらに忙しくなりました

現在は「清水ビジネスパートナー株式会社」を設立して事業をされています。主な事業内容を教えてください。また、最初から法人として起業されたのでしょうか。

当初は個人事業主で始めて1年後の法人化を考えていましたが、予想以上に多くの引き合いを頂けたので早めに法人化しました。2月1日独立、2月25日には会社を設立しています。
今の事業としては3つ柱があります。まずは補助金支援を入口にして融資などの資金調達支援につなげ、顧問契約を締結して継続的な支援を行うというコンサルティングです。売上の割合としては補助金支援がやはり高いのですが、徐々に資金調達支援や継続的な支援を増やしていきたいと動いているところです。独立当初に3か年の目標として年商3000万円をかかげていたのですが、これは前倒しで達成することができました。

補助金採択率9割! 圧倒的実績でブランドと信頼を獲得

清水さんは補助金支援が中心ということですが、具体的にどのくらい取り組まれてきたのでしょうか。

補助金支援に関しては、一番件数が多い事業再構築補助金で、独立してからの1年半ほどで30件ほど支援してきました。採択率でいうと約9割、支援先の企業が獲得した補助金の総額は8億円くらいになります。これまではほとんど一人でやってきました。
特に東京ではグループや会社組織で補助金支援をするところもあるので、件数で私を上回る方はいらっしゃいます。ですが、香川などの地方ではここまでの支援件数や採択率を示せる人はなかなかいないので、この実績は私のブランドの一つになっていると思います。
お客さんに助言する際にも、『これだけの実績に基づいた助言』ということで実績が後ろ盾となり安心感につながります。それが結果的に案件の質を高めることに貢献しているのではないかと思います。

【東京事務所周辺:神田駅西口のにぎやかな街並み】

案件増加の秘訣は、定期的な情報提供で経営者や紹介パートナーとの関係性強化

それだけの補助金支援をお一人でされるとなると、それだけで本当にお忙しいのではと思います。時間の使い方など、何か工夫されていることがあるのでしょうか。

最近では事業再構築補助金の1回分で、支援先が10件を超えることもあります。さらに補助金は入金されるまでフォローしているので、常に何社かの実績報告を手伝っている状況です。今は、ほぼ週7稼働で働いている感じですね。
各事業者さんとコミュニケーションを取る時間は、事業計画書の内容や質に関わるので簡単に削れるものではありません。

2年目に入り、自分の支援の型やノウハウが少しずつ固まってきたこともあり、最近では事務作業はアシスタントの方へ、事業計画書は診断士など社外の専門家の方へそれぞれ業務委託することも徐々に増えてきました。もちろん、私が最終的な成果物の品質は確認して、責任を持つようにしています。

最近では事業再構築の申請をした先が小規模事業者持続化補助金ものづくり補助金にも取り組むなど、1つの事業者に対して複数の補助金で支援することも増えています。こういう場合は、すでに社内に情報があるので一からヒアリングする必要はなく効率よく進めることが出来ています。

ある会社に対して複数の補助金の活用支援が出来ていることも大きいのですね。
また、そもそも案件が増えるように、何か工夫されていることはあるのでしょうか。例えば、こうした場合は、清水さんの方から提案されるのでしょうか。

お客さんから『こういう事業を考えているが補助金を活用できないか』と相談が来ることもあれば、定期的にお話を伺う中で、私から補助金の活用について提案をすることもあります。お客さんとのやり取りは、いつ連絡を取ったか、どんな情報を伝えたか等を一元管理しています。それを見ながら、『今週はAさん、Bさんに連絡しよう』と計画を立てたり、何か連絡を取るときには雑談がてら補助金の最新情報をお伝えしたり、ということをしています。

1社1社と最初でしっかり関わっているからこそ、その次の支援につながっているのですね。他にも営業活動として取り組んでいることはありますか。

補助金支援に関しては『紹介パートナー』と呼んでいる、会計事務所や保険営業の方、ITベンダーや銀行の担当者の方の力も大きいです。香川と東京の両方に紹介パートナーがいるので、定期的にメールや電話で雑談をしたり、最新の補助金情報などを提供しています。
あとは、これは特に営業を意識しているわけではないのですが、過去に支援して補助金採択となった先からご紹介いただくこともあります。

清水さんが圧倒的な成果をあげられてきたのは、一心に仕事に注力されてきて、関わる1社1社や紹介パートナーの方に丁寧なフォローアップを行ってきたからこそだということがよくわかりました。

補助金に関しても紹介されたら必ず一度はお話を聞きますし、とりあえず出来ることは全部やっています。そうした中で、何かしらいい印象を持って頂いていたり、信頼関係が出来てきているのかもしれません。

【移動中の仕事風景:高松駅周辺の開放的な風景】

2.P-CFO養成塾との出会い

目先の事業は順調。でも、3~4年後を見据えたコンテンツ磨き上げのために受講を決意

清水さんは2021年にP-CFO養成塾を受講されていますが、当時は独立起業してすぐのタイミングで、順調にお客さんは増えて非常に忙しい毎日を送っていらっしゃったと思います。そんな中、P-CFO養成塾の受講されたのはなぜですか。

2020年に高森さんの本を読んで、その時に養成塾をされていることを知ったのが最初でした。ちょうどオープンセミナーに参加して『いいな』と思ったものの、当時はスケジュールが合わず。毎年されていると聞いて、1年越しの2021年に受講しました。

申込んだ2021年5月頃は『補助金があるから私自身の会社のキャッシュは回っている』という状況でした。ただ、3~4年後先を考えると間違いなく補助金がなくなるだろう、ではその時にどうするのか、と考えていました。補助金がなくなった時に自分でコンサル契約をちゃんと取れるような体制を作っておかないといけない、そのために自分のコンテンツをもっと磨き上げようと考えた時高森さんの『パートナーCFO』がしっくりきました。

養成塾は実践者から学べる充実の講座。フルサポートは即実践できる環境も魅力

高森さん自身が現役のパートナーCFOとしてベンチャーから中小企業まで支援されていること、養成塾の講座の中身が充実していることからも、受講を決めました。グループコンサルティング(以下、グルコン)や高森さんとの1on1(個別面談)があったり、OJTという形でパートナーCFOとして実践の機会もあるということで、フルサポートのコースにしました。

インプットだけではなく、アプトプットの機会があることも魅力の一つだったのですね。

そうですね。私は独立してからこの2年弱数百万円くらいは講座やセミナーに投資してきました。人気講師で実力がある方ほど、インプットだけではなく実践の機会まで配慮した構成になっています。
投資回収という観点では『学んだことを即実践できるように設計されている講座』は、たとえ費用が高くても、しっかり成果につながるなと実感しています。実際にフルサポート経由での案件1つで数百万円くらいの売上になり、2年継続していても十分ペイできています。

【独立コンサルからベンチャー企業の方まで、多様なメンバーとのワークに励む場面】

~~以上、前編では清水さんの「東京・香川での2拠点活動」と「パートナーCFOとの出会い」そして「フルサポート受講のきっかけ」までお伺いしてきました。
後編では、「フルサポート」についてさらに深堀するとともに、「地方の中小企業財務部長代行」としての清水さんの描く未来についてお届けしていきます。

次回は来週、3/1水に公開予定です。どうぞお楽しみに!