コンテンツへスキップ

P-CFO 西田 義宏さん

「共に歩む」を貫くパートナーCFO
~財務を超えて、経営者の実行に寄り添う伴走支援

共歩ビジネスパートナー 代表
西田 義宏(にしだ よしひろ)さん

今回ご紹介するのは、パートナーCFO養成塾第6期生の西田義宏さんです。西田さんは、関西大学システム理工学部を卒業後、システムエンジニアとして大手通信会社・大手メーカーの開発・設計に従事。その後、特許事務所にて実用新案(電気電子分野)の出願業務を経験され、税理士法人3社(医療法人専門→中小規模→スタートアップ特化)にて延べ100社以上の税務・財務支援を経験されました。
2024年、より深く経営者に伴走したいという想いから独立し、「共歩ビジネスパートナー」を設立。一人社長や家族経営の中小企業を中心に、原則紹介制・24時間365日対応という独自のスタイルで、財務を軸とした経営全体のワンストップ支援を展開されています。時には「夜中の2時からのオンライン打ち合わせ」に対応するなど、徹底的に経営者の懐に飛び込む姿勢が、多くのクライアントから厚い信頼を集めています。

SE・特許・税務という異色のキャリアを「理系×財務」の独自の強みに転換し、パートナーCFO養成塾で経営支援を体系的に学び直された西田さんに、現在の事業内容や独立に至った経緯、養成塾での学び、そして今後の展望についてお伺いしました。

「共に歩む」を社名に込めて――24時間365日寄り添う、徹底した伴走スタイル

西田:「共に歩む」――文字通りそのままなのですが、スポット的な関わりではなく、経営者の人生まで含めてご支援していきたいという想いを込めて、この名前を選びました。「すべての人を幸せにする」というのは正直、現実的には難しい。だからこそ、自分が関わる方たちは全力でご支援する、応援する。そのスタンスを社名にそのまま落とし込みました。

西田:そうですね、僕の差別化ポイントの一つでもあります。よくある「営業時間は9時〜18時」「それ以外は連絡が返ってきません」というスタンスではなく、いつでも連絡が来たら返す、というやり方をしています。実際、夜中の0時から「今から打ち合わせ行けますか?」と連絡が来ることもありますし、補助金の締切直前に深夜2時から計画書を見てほしいと言われ、4時まで打ち合わせをしたこともあります。
一人社長の方って、夜のほうが集中して経営のことを考える方が多いんですよね。だから、時間や曜日に関係なく、必要なときにすぐ動ける体制を取っています。テキストで即時に返信するコンサルタントの方は他にもいらっしゃるようですが、夜中にオンラインで打ち合わせまでする人は聞いたことがない、と言われます。

西田:はい。最初の頃は誰でも受けていたのですが、問い合わせベースのクライアントだと価格だけで比較されたりすることが多かったんです。紹介であれば「西田はこういう人だよ」というフィルターを一度通したうえで来ていただけるので、人間関係のストレスがなく、仕事もスムーズに進みます。
それに、僕は従業員も雇わずワンオペでやっているので、受けられる案件には限りがあります。既存のクライアントを優先したいので、紹介制が今の規模感には一番合っていると感じています。

【クライアントとの打ち合わせの一コマ】

財務を軸に経営全体をコーディネート――支援の6〜7割は「実行管理」

西田:中心は財務コンサルティングですが、財務を支援していくと、結局ヒト・組織・マーケティング・IT…会社のあらゆる領域が紐づいてきます。なので、実態は経営全体のコーディネート役に近いですね。財務は自分でしっかりカバーしつつ、自分の専門外の領域は信頼できる専門家ネットワークにつなぐ形で、ワンストップで伴走しています。
クライアントは、一人社長や夫婦・親子で経営されている小規模事業者がメインです。年商規模は3,000〜4,000万円から5億円ぐらいまで幅広く、規模よりも「経営者がオープンに腹を割って話せる方かどうか」を大事にしています。プライベートまで踏み込んで話せる関係性が築ける方でないと、本当の意味での伴走はできないと思っているからです。

西田:クライアントから言われて印象的なのは、「西田さんが来るから動かなきゃ」という言葉ですね(笑)。経営者の方は、ビジョンや計画を立てても実際には動かない方が多いんです。後回しにしたり、苦手な分野を避けたり。そこで僕は、期限とタスクを明確にし、できていなかったら『なぜやっていないのか』をきちんと確認して、次の期日を一緒に決め直す。そうして社長の実行を後押しする役割を、年齢に関係なく担っています。社長って、社員からも家族からも、なかなか厳しいことを言ってもらえない立場ですから、第三者がそこを担うのが伴走支援の本質だと思っています。
計画はある程度の知識のある人が作れば一定の幅に収まるんです。差がつくのは、それを本当にやるかやらないか。計画は大切ですが、最終的に重要なのは「実行されること」だと思っています。だから僕の支援の6〜7割は、実は数値そのものよりも、こうした実行管理に時間を割いています。立派な計画を作ることよりも、毎月の進捗管理と先読みの情報提供で経営者の実行をドライブする――それが本当の意味での伴走支援だと思っています。

西田:仕事自体が面白いというより、「この人と一緒にいるのが楽しい」という感覚に近いかもしれません。打ち合わせでもプライベートに踏み込んだ話をすることが多いので、いろんな経営者の人生観に触れられるのはやっぱり面白いですね。長野までクライアントに会いに行ったり、クライアントの家族や仲間とバーベキューをしたり、仕事を超えた付き合いができているのが今の楽しさです。結局のところ、最後は人情だと思っています。
独立して2年ちょっとですが、今のクライアントはマイナスからゼロに戻り、ようやくスタートラインに立てた、という会社が多くて、これからが本番だと感じています。

SE・特許・税務――異色のキャリアが生んだ「理系×財務」の強み

西田:もともと数学や物理が好きで工学部に進学し、そのままシステムエンジニアとして就職しました。上場企業にてシステムの要件定義やフレームワーク構築、設計書の作成を担当していて、ここでの経験は今でも大きく活きています。ただ、もっと新しい技術に触れたいと思って特許事務所に転職しましたが、そこで「人と関わる仕事をしたい」と強く思うようになり、会計事務所の道に入りました。

西田:1社目は医療法人特化の税理士法人で、年商規模も大きく、実務的にしっかり鍛えられました。2社目は店舗ビジネス中心の中小規模事務所、3社目はスタートアップ特化で、会社設立や定款作成のお手伝いから関わることもありました。3社合わせて延べ100社以上のクライアントを担当する中で、税務にとどまらない、もっと幅広い支援が必要だという想いが強くなっていきました。

西田:コロナ禍です。3社目の税理士法人にいた時期がコロナ前後で、潰れていく会社と、苦境から復活していく会社の差を目の当たりにしました。復活する会社に共通するのは、税務だけではなく、財務や事業計画、組織までしっかり手を入れていること。逆に、税金計算や節税だけにフォーカスしている会社は、いざというときに体力を持たない。
ただ、税理士事務所の中にいると、一人で20〜30社を担当するのが普通で、深い支援にどうしても時間が割けません。「借りたら終わり」「補助金もらったら終わり」では意味がない。ちゃんとどう返すか、どう活かすかまで一緒に伴走したい――そう思ったのが、独立を決めた最大の動機です。

【協会の懇親会担当として、メンバー同士のリアルな繋がりづくりを牽引している】

パートナーCFO養成塾――キャリアの方向性が明確になった半年間

西田:Facebookの広告で見つけたのがきっかけです。当時はまだ独立する気はなかったのですが、税理士法人のスタッフのまま働き続けることに将来的な不安がありました。「CFO」というキャリアを目指せるなら学んでみたいと思い、まずはオープンセミナーに参加しました。

西田:税務だけが経営支援だと思っていた視点が、ガラッと変わりました。税務はあくまで目先の話で、本質的な会社の課題は別のところにある。財務、経営管理、採用、組織――「会社の全体像」を見る視点を体系的に身につけられたのが大きかったですね。受講内容を、その時に勤めていた事務所のクライアントとの会話にすぐ組み込んでみると、ほとんどのクライアントが、税務よりもむしろ「会社をどうしていきたいか」という財務・経営の話のほうに圧倒的に食いついてくるんです。この実感から、「税務だけに留まっていてはダメだ」という確信に変わりました。

西田:自分が今何をカバーしていて、どこを外部の専門家に任せるべきかを整理するうえで本当に役立っています。たとえば僕はIPOとM&Aは「捨てている領域」と決めていて、ここは同期の専門家につなぐようにしているんです。
同期にIPO(上場支援)のプロやM&Aのプロがいて、年齢や立場関係なく気軽に相談できるネットワークがある。だからこそ、自分は「ここはやらない」と割り切っても、結果的にクライアントにはワンストップで対応できる。これは養成塾を経てこそ得られた財産だと感じています。

西田:今、協会の懇親会担当をさせていただいていて、まずはメンバー同士の関係値をオフラインの場でしっかり作りたいと思っています。せっかく多様な専門家が集まっている協会ですから、案件の融通や、チームでの支援が自然に回るような場を作っていきたいですね。協会のオフライン懇親会も、その第一歩として開催しました。

子育てと並走する中長期ビジョン――社外CFOと「自分の事業」の二刀流へ

西田:まずは単価を引き上げていくこと、そして専門家ネットワークの偏りをなくして、本当の意味でのワンストップ体制を作ることですね。今のクライアントの成長スピードをもっと加速させられるよう、自分の支援の質を高めていきたいです。

西田:実は、社外CFO業と並行して、自分自身でも事業会社を立ち上げて運営していきたいと考えています。今いろんな経営者にアドバイスをしているわけですが、それを自分の事業に落とし込んだら、本当にうまくいくのか――その「検証」を自分の手でやってみたいんです。一種のゲーム感覚みたいなところもありますね。
今は子供がまだ小さいので、思うようには動けませんが、子供がある程度手離れする中学生ぐらいのタイミングで本格的に取り掛かりたいなと。具体的にどんな事業をやるかは、あえて決めていません。5年後、10年後の流行りや自分の興味は、その時点でないと読めないので。

西田:交流会では、主催者の方に積極的に話しかけて仲良くなるようにしています。自分が交流会を主催している側だということもありますし、人のつながりや企画力を持つ方とのつながりから自然と次のコミュニティにつながることもあります。
僕自身も交流会を主催していますが、自分の集客や利益が目的ではなく、自分の周りの経営者同士が定期的に顔を合わせて、新しい繋がりが生まれる場としてやっています。事前に名簿を見て「この人とこの人は合いそう」とマッチングを設計したうえで、当日アテンドする。だから募集をかけなくても、自然と「会いたい人」が集まるようになりました。

【子育てと事業の両立の中で、長期視点でキャリアを描く】

「資格がない」「経験が浅い」と感じる方へ――踏み出せば必ず道は拓ける

西田:僕自身、養成塾を受講するまでは「資格もないし、経験も知識も他の方に劣る自分が、こんな場所で大丈夫だろうか」と正直引け目を感じていました。受講料も決して安くはありませんし、最初の一歩はかなり勇気がいると思います。

でも実際に飛び込んでみたら、多様なバックグラウンドを持つ専門家のネットワークができ、自分の得意分野を活かしながら、関連領域の即戦力知識を体系的に学べる場でした。そして何より、僕のように士業のプロフェッショナル資格を持たない人間でも、ちゃんとキャリアアップできるし、各分野のプロと年齢関係なく対等に繋がれるということを、身をもって体験できました。

僕は今でも「自分はスキルや経験では勝負しない」と決めています。自分より特定分野に特化したすごい人はたくさんいる。だからこそ、そういう人ができないところで自分は勝負する。それが僕にとっての差別化です。

キャリアアップを考えている方、自分の専門領域だけでは物足りなさを感じている方、そして経験を持っていても「自分にできるだろうか」と確信を持てない方にこそ、ぜひ一度飛び込んでみてほしいです。自分なりのスタンスでクライアントに向き合っていけば、必ず自分にしかできない伴走の形が見つかるはずです。

プロフィール

共歩ビジネスパートナー 代表  西田 義宏(にしだ よしひろ)さん
関西大学システム理工学部卒業。大手通信会社・大手メーカーの開発・設計を担当するシステムエンジニアを経て、特許事務所にて実用新案(電気電子分野)の出願業務に従事。その後、経営者と関わる機会を通じて経営に興味を持ち、税理士法人・会計事務所3社(医療法人専門→中小規模→スタートアップ特化)にて延べ100社以上の税務・財務・バックオフィス支援を経験。
コロナ禍を機に、より深く経営者の根本課題に伴走したいという想いから2024年に独立し、共歩ビジネスパートナーを設立。「労働社長」から「オーナー社長」へをコンセプトに、起業直後から事業安定までのフェーズの中小・ベンチャー企業に対し、財務を軸とした経営全体のワンストップ伴走支援を展開している。

【保有資格】
品質管理検定4級/ディジタル技術検定2級(制御)/銀行融資診断士
【所属団体・認定資格】
一般社団法人日本パートナーCFO協会(認定パートナーCFO)/一般社団法人銀行融資診断士協会(認定銀行融資診断士)/一般社団法人日本会計コンサルタント協会(認定経営財務コンサルタント)/一般社団法人日本CFO協会(認定プロフェッショナルCFO)/一般社団法人日本中小企業サポート協会(認定補助金コンサルタント)
共歩ビジネスパートナー https://sites.google.com/view/kyoho-business-partner/

<編集後記
取材を終えて、西田さんの「僕は人情で生きている」という言葉が深く印象に残りました。CFOというと、財務スキルや戦略立案能力で勝負する世界というイメージが強いですが、西田さんの差別化ポイントは、まさに経営者と人として深く繋がる関係性そのものにあります。

24時間365日いつでも繋がれる、夜中の2時でもオンラインで打ち合わせをする――その距離の近さは、単なるサービス上のスタンスではなく、特許事務所時代の挫折経験から生まれた「人と本気で関わりたい」という強い想いが土台にあるのだと感じました。過去の経験が、現在の支援スタイルの土台になっているという意味で、多くの読者に勇気を与えるエピソードです。

また、「計画は計画。やるかやらないか」という言葉に象徴されるように、伴走支援の本質を「実行管理」と定義する視点も、多くの士業・コンサルタントにとって示唆に富む考え方ではないでしょうか。資格や経験の量ではなく、どこまで踏み込めるか、どこまで本気で寄り添えるか――そうしたパートナーCFOの新たな価値の形を、西田さんは体現されていると感じました。

今後の共歩ビジネスパートナーのさらなる発展、そして西田さんご自身の事業展開を、心より楽しみにしております。

取材・文:第7期生 中郡 久雄
取材日: 2026年5月9日