【開催レポート】ソーシャルVC最前線~インパクト投資とスタートアップ支援のリアル~
2025年11月に第71回P-CFOサロンを開催しました。
スタートアップや中小企業の資金調達の世界では、近年「ソーシャルVC」「インパクト投資」と呼ばれる新しい潮流が広がりつつあります。財務的なリターンだけでなく、社会的な価値の創出を重視する投資の形は、従来の資金調達とは何が違うのか。そして、パートナーCFOはどのように関われるのか。
今回のセミナーでは、一般財団法人社会変革推進財団(SIIF:Social Impact Innovation Foundation)事業部長/インパクト・オフィサーの加藤有也氏をお招きし、インパクト投資最前線をテーマにした講義と、今後の展望をお伺いしました。

講義
SIIFの前身となる社会的投資推進財団は、日本財団の社内事業から2017年にスピンアウトして設立、2019年に関連財団(社会変革推進機構)と合併し現在に至ります。
加藤さんは大手出版社で海外事業や関連会社の企画、CVC運営・スタートアップとの資本業務提携等に従事。2019年よりSIIFに参画され、VC型のインパクト投資ファンドである「はたらくFUND」の運営をはじめ、投資事業に従事されてきました。
講義では「そもそもインパクト投資家とはだれで、どんなことをやっているのか」に始まり、インパクト投資家から投資を受けるメリットや、SIIFが運営する「はたらくFUND」の取り組みを具体的にお話しいただきました。
はたらくFUNDでは、投資対象の選定・投資実行において経済性と社会性の両軸で合理性とリスクを検討。ファンド設計から案件発掘、DD、投資決定、EXIT戦略まで経済軸と同時にインパクト軸を設けて事業に取り組まれていて、具体的に「インパクト創出」の考え方や指標を持ち、DD実務上は経営者へ追加質問しているそうです。
特に「経済性と社会性が正の相関関係となる事業・ビジネスモデル」を投資対象としている点や、EXIT戦略で一般的なVCの観点でIPOやM&Aを検討するだけではなく、「受益者の不利益にならないように考慮した対応」をする点など、一般的なVCとの違いが解説されました。

質疑応答
参加者からは、インパクト投資の観点での地銀とのかかわり方や、インパクト投資で投資対象となる企業のステージ、投資金額などに関する、実務的な質問が相次ぎました。投資対象に関しては「プロフダクトインパクトフィット」という概念で検討をする点や、SIIFが取り組むインパクト投資への業界内での関心の高まりにも言及されました。
参加者の声
「インパクト投資がスタートアップ支援と地域振興に果たしうる役割期待に関心があり参加。大きなインパクト投資動向だけでなく、具体的事例の紹介もあり支援イメージの解像度が高まりました。今後、インパクト投資は一つのテーマにしていこうと決めました」
「インパクトVCについての知見が深まりました。キャピタルゲインと社会課題の解決双方の実現を目指す方に共感をいただき、貴重な時間でした」
さいごに
当協会ではP-CFOサロンを毎月開催。その道の一人者のゲストをお呼びし、P-CFOメンバーへの研鑽と活躍のベースキャンプとなるイベントを定期的に開催しています。
今後もP-CFOメンバーの活動に役立つ情報をお届けしてまいりますので、どうぞお楽しみに!
参考リンク
一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)HP SIIFとはhttps://www.siif.or.jp/overview/