2020年2月24日

クライアントの声

「パートナーCFOは、経営課題を整理して言語化し、自分の目指すところへの地図を渡してくれるような存在」

ネイス株式会社  代表取締役 

南 友介(みなみ ゆうすけ)さん

●所在地
 本社:埼玉県川口市戸塚東4-20-10
 東京本部:東京都北区王子5-10-1戸部ビル3F
●設立   2010年9月
●資本金  3800万円
●事業内容
知育体操教室「Clubネイス」の運営、「Clubネイス」フラチャイズ事業、体操教室運営指導コンサルティング
●URL  https://ne-is.com/

パートナーCFOのクライアントってどんな人?
具体的な業務の内容は?

「どんな経営者の元で、どんな業務をしているのかを紹介することでパートナーCFOの実態に迫りたい!」ということで、実際にパートナーCFOが参画している会社の社長にお話を伺ってきました。インタビュー前半ではクライアント像を、そして後半ではクライアントから見たパートナーCFOの役割をお伝えしていきたいと思います。

今回は日本パートナーCFO協会の代表理事 高森厚太郎エグゼクティブアドバイザーを務めるネイス株式会社の南社長に「クライアント側から見たパートナーCFO」についてお伺いしました。

【体操選手のセカンドキャリアとして、体操教室で起業、経営者へ 】

南社長が経営する会社について教えてください。

一つ目は子供向け体操教室を運営するネイス株式会社です。ここでは2歳から12歳(小学6年生)までの子どもを対象としており、東京・千葉・埼玉の首都圏を中心に23店舗展開しています(2020年1月時点)。社名のネイス(NEIS)はNew、Exciting、Idea、Sportsの頭文字です。「新しくてワクワクして理想的なスポーツクラブにしたい」との思いを込めました。「子ども達の“すこやかなカラダ”と“あきらめないココロ”を育てる」を理念に、知育体育に重点を置いて取り組んでいます。
二つ目は、バックヤード株式会社というスポーツ器具を企画販売する会社です。はじめはネイスの一事業でしたが、事業拡大に伴い分社化しました。今では行政関係のお客様もスイミング教室、チアリーディングなど客層が広がり、多種多様なスポーツに対応しています。

起業のきっかけは何でしたか。

私は体操選手としてオリンピックまで近いところまでいたものの、行けなかったという悔しい経験があります。大学卒業後、体操選手のセカンドキャリアとして社会人生活を始めたものの、会社勤めは窮屈に感じ、そこで直感的に「社長になればいい」と思うようになりました。当初から30歳になるまでに起業しようと考えていて、実際に29歳11か月の時に法人登記しました。

ネイス(株)が一体操教室から今のように多店舗展開してきた経緯を教えてください。

はじめは体操の家庭教師として活動しようとしていました。チラシのポスティング中にあるお母さんから「先生がうちへ来るのは抵抗があるけど、どこか教えている場所があれば参加させたい」と言われました。「それだ!」と思って、場所を借りて体操教室を始めることにしました。公共の施設で始めましたが、生徒が40名くらいになり、本格的に東川口で場所を借りることにしました。

創業時のメンバーは自分と妻、元体操選手の知人男性の3人で、従業員の将来を考えると、1店舗では昇進の余地がありません。彼に責任あるポジションについてもらうことを念頭に、次の店舗を出すことを考え始め、徐々に店舗を増やしていきました。

フランチャイズ(FC)事業にも取組まれていますが、創業時から構想にあったのでしょうか。

2015年に初のフランチャイズ店が出来ましたが、これは創業時から想定していたわけではありません。私の会社のことを知った埼玉の運送会社の方から、「フランチャイズ形式でやりたい」と声がかかり、現在1社で2店舗展開していただいています。2019年末から本格的にFC事業にも力を入れて、取り組んでいます。

ご自身の経験は選手向けの体操教室だと思います。ネイスを選手向けにしなかったのはなぜですか。

自分自身、幼稚園~小学校低学年ではネイスのように楽しめる体操クラブに通った経験があり、楽しかった記憶が残っています。そういう風に、大人になっても残るような何かを提供できたらいいなと思ったことがきっかけです。スポーツクラブなどでの勤務経験はないので、ある意味自由な発想でできたのかもしれません。

バックヤード㈱でスポーツ器具の企画販売をされています。きっかけを教えてください。

体操教室で子供たちに安全に楽しくレッスンをしてもらうためには、器具が非常に重要です。体操教室を始めてから、国内・海外でスポーツ器具を探したものの、納得いくものがなかなか見つからず、自分たちで作ろうと思い至りました。2012年からネイスの事業の一つとしてスポーツ器具を作り始め、徐々に同業者など社外の購入希望が増えてきたため、2014年にバックヤード株式会社として分社化しました。

【専門家は目先の費用ではなく、コストパフォーマンスで判断する】

現在御社の経営管理に参画している高森さんとの出会いや、依頼の経緯を教えてください。

高森さんとの出会いは、経営者向けのセミナーでした。高森さんもお子さんがいらっしゃるとのことで、休憩時間に体操教室の話で盛り上がりました。高森さんは経営に詳しいということで、私は持っていた経営計画書も使い事業内容などの話をしました。

経営コンサルをされているということで、「一度お昼でも」、2回目にランチでお会いして話していると、高森さんはファイナンスの部分に非常に強いことが分かりました。高森さんからベンチャーの IPO などの話がポロポロと出てきて、「私もそういう目標があります」「これからの展開を考えるところで、壁となっているところありまして…」など、経営の悩みを話しました。具体的にパートナーCFOの話を聞いて、面白いサービスだなと思い、3回目にお会いした時に正式に依頼しました。

依頼するにあたり、一番の決め手は何だったのでしょうか

実は、高森さんにお願いする直前まで、チェーンストアについて長年コンサルティングをお願いしていた方がいました。ところが、立地や出店については経験を積む中で、自分である程度分かるようになってきていて、次の経営課題である資金調達や目標とするIPOに近づくにはどうしたらいいか、ということへ自分の関心が移り、その先生と袂を分かつという経験をしていました。そうした経験からも、コンサルタントをお願いする際は自分に必要なのかということがすごく重要だと考えていました。その専門家が何を持っているのか、自分の悩みを解決してくれるのか、というところの質問に欲しい答えが返ってきたことが決め手だったと思います。

南社長が目指している行きたいところに一緒に行ける人かということでしょうか。

そうですね。自分は直感型なので、フィーリングが合うかということもすごく大事だと考えています。自分が相談する人ですから、「この人合わないな」という人には相談したくないなと思うので。だから「付き合う」みたいな感覚って大事なのかなと思います。人として好きだから信用して色々言えるし、本気で相談できるのだと思います。

ただ、自分と違う意見も参考になるので、一概に意見が合わない専門家はやめておいた方がいい、というほどではなく。あくまで自分の場合はフィーリングが合うことが大事だということです。

南社長は以前から専門家に相談しながら経営されてこられたということですが、何かきっかけがあったのでしょうか。

創業時は外注先が増えるのは金銭的負担になるので専門家を雇うという考えはなかったです。店舗を増やしていこうとセミナーに参加したときに、「この先生に継続してお願いしたらもっとよくなるかもしれない。月2万円なら出せるかな」という機会がありました。実際に専門家に教わったことを実践し結果につながる経験をして、専門家の知恵を借りることは会社の成長に必要な経費なんだなというのが徐々に分かってきました。

全て経営者である自分が行う/考えるより、やはりその分野で優秀な人にやってもらう/知恵を借りる方が早い部分があります会社の経費でやるわけですから、重要なのは「このコンサル料はリターンに見合うのか」、投資回収できるかですね。その意味で、私が高森さんにお願いしていることは、コスパが良いと考えています。

【パートナーCFOは経営者の課題を整理、次の課題や解決方法を示す存在 】

高森さんは実際どのように経営管理に関わっていますか。

月に1回対面で、それ以外の時は適宜チャットワークで経営相談をしています。チャットワークは月に2、3回くらいです。

相談内容は、最近の例では銀行から追加の融資の提案があった時の対応や、社債発行の際の借入れとの比較についてなどです。自分では金利や手数料などのコストしか見えないのですが、信用についての視点や次の一手に関するアドバイスを頂けて「なるほど!」と先に進めるので非常に助かっています。

南社長にとって、高森さんはどのような存在ですか。

自分は結構直感型で動いていて、自分でもそれほど外れたことはしていないという自信もある。ただ、そこをきちんと言語化したり、うまく説明できないことがあります。自分にとって高森さんは、それを整理してくれるような存在です。

悩みや課題が明確であれば解決は早いと思いますが、問題は「経営者としてその課題がわからないこと」です。今高森さんには、数字のことだけではなく、人事や組織のことなど経営全般について相談に乗ってもらっています。高森さんに現状をお話しすると「こういうことが課題では?」と、自分でもわかっていない、気づいていないような課題を明確にしてくれたり、そういう場合の解決方法の選択肢を示してくれます。そういった対話ができ、満足しています

< 左から南社長、高森氏。南社長 初の著書「子どもの才能は脳育体操で目覚めさせる!」(2020年1月出版)とともに>

【 成長意欲ある経営者ほど、パートナーCFOを活かせる!】

どのような経営者に、パートナーCFOの存在が効くと思いますか。

男女を問わず、伸びたいと思っている鼻息荒い経営者です。自分もそうでしたが、伸びたいという思いが根底にある人って、がむしゃらに動くものの、わからないことだらけで、途方に暮れる事が多いと思います。なので、客観的に地図を渡してくれる、聞いたらなんでも答えてくれるような存在が必要です。

ちなみに南社長、これからのまだ見ぬ世界という点で、どういった構想をお持ちですか。

私は人生の大半が体操選手です。競走馬として育てられてきた背景と(笑)、元来の性格が相まって、どうしても走ろうとするんです。今、まさに走っている最中ですが、目指している方向は上場です。私は体操選手としてオリンピックというオフィシャルな成績を残せず悔しい思いをしました。私にとって上場そのものが目的というわけではなく、経営者としての公的な達成の証として目指しています。

私はお金そのものというより、稼ぐお金がとても好きです。稼ぎたいし、価値を作りたい。だからやりたいことは、まだまだ色々あります。そういう野望があり、未知の領域も多くて創業時のようなドキドキ感もある中で、高森さんなら色々とご相談しやすいかなと思っています。これからも、相談しながら走っていきたいと思います 。

<取材・文>2期生 溝上 愛
取材日:2020年1月31日

 

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