2020年3月21日

P-CFO 平野 源さん

会社経営の経験を活かし、IPOを目指す会社で社内 CFO & CHO として活躍。

縁の下の力持ちとして、CEOの夢の実現に貢献する」

H.I.F.株式会社 執行役員CFO & CHO
平野 源(ひらの げん)さん

今回ご紹介するのは、パートナーCFO養成塾の第2期生(2019年8月~11月)の平野源さんです。

会社経営のご経験もある平野さんは、現在はIPOを目指しているH.I.F.株式会社(以下、H.I.F.)のCFO & CHOとしてご活躍されています。
経営トップあるいは経営陣として組織を動かしてきた平野さんに、これまでのご経験とパートナーCFOについてお話を伺いました。

【プロフィール】
大阪市出身。通信会社の販売代理店経営や保険会社の営業職などを経て、2019年4月、株式会社エイチ・アイ・エスのグループ会社であるH.I.F.株式会社に入社。現在は執行役員CFO & CHOとして、同社のミドル・バック部門全体を管掌。

【H.I.F.株式会社】(同社ウエブサイトより)
株式会社エイチ・アイ・エスのグループ会社として、決済代行業・売掛金保証業・銀行代理業を行うBaaS(Banking as a Service)プラットフォーム企業です。決済代行業である「Fimple決済」は売掛金前払い手数料無料・保証率100%で圧倒的に安い手数料(2.0~5.0%)の請求業務アウトソーシングサービスを提供しています。https://www.his-impact-finance.com/

【サラリーマンも会社経営も経験】

これまでの略歴を教えてください。

生まれは大阪市ですが、幼いころ高槻市に引っ越して24歳まで高槻市にいました。H.I.F.の創業者であるCEO東小薗光輝(ひがしこその みつてる)は幼馴染みで、幼稚園から中学校まで同級生でした。中学校では部活のバスケットボール部でも一緒でした。強豪チームではなかったですが(笑)

社会人として、リース販売の営業などのサラリーマンや、通信会社の販売代理店として独立起業し、光回線加入の販促などもやってました。販売代理店は妻と二人で始めて、一時期は社員とバイトを合わせて30名くらいの規模になりました。

会社経営のご苦労はありましたか

販売代理店なので販売元の施策に大きく振らされるということがありました。それに対する私の対応策や選択が必ずしも効果的でなかったこともあり、最終的にはその会社を閉める決断をしました。

それでサラリーマンに戻ったのですが、その入社した会社の業務命令で東京に転勤になりました。

【幼馴染みとの運命的な再会】

そこで東小薗さんと再会されたんですね。

東小薗とは高校は別だったのでほとんど会う機会はなかったのですが、2018年の春、東小薗がFacebookに「会社を辞めて独立する」(注1)という趣旨の投稿をしたのを偶然読んで、「いいね」を押したのがきっかけで再会することになりました。

(注1)東小薗氏は、2011年に株式会社エイチ・アイ・エス入社。2018年4月にH.I.S.Impact Finance株式会社(現H.I.F.株式会社)を設立。

Facebookはビジネス面でそんな効果があるんですね。東小薗さんとはどんなお話をされたんですか。

おそらく15年振りくらいの再会だったと思います。最初はお互いの近況報告で、私が会社経営をしていたときの話や東小薗の新しい会社の話などです。
それからしばらくして2回目の食事の誘いがあり、そこで「うちの会社に来ないか?」と勧誘されました。

幼馴染みだからヘッドハンティングされたわけではないですよね。

実は私は経営者時代にブログを書いていたんですが、東小薗曰く、再会する前からそのブログを読んでいたそうです。
それで再会していろいろと話をする中で、会社を立ち上げたばかりの彼にとって私のような会社経営の経験者が欲しいと思ってくれたようです。
シリコンバレーでは、会社を潰した経験のある人の方が実はバリューが高いそうですが、東小薗も同じような発想を持っていたようです。

【人の夢を助けることで自分も復活する】

東小薗さんからの勧誘に対してどう答えられたんですか

さすがに即答はできず、持ち帰らせてもらいました。家族への説明もあるので。

結果的に応諾されたわけですが、決め手は何でしたか。

一言で言うと、人の夢を助けることで自分ももう一度復活したという感覚が得られるのではないかと思いました。
東小薗が当社を立ち上げた目的は、金融事業を通じて世界の人々や企業の発展をサポートし、母子・父子家庭世帯の子供を支援するため(注2)です。東小薗が公言していることですが、彼自身が母子家庭で進学等に苦労したことがその背景です。
私は東小薗のビジョンに強く共感すると同時に、自分の会社を閉めたことに対して忸怩たる思いがありましたので、東小薗と一緒に働くことで捲土重来というか復活できる気がしたのです。

(注2)H.I.F.株式会社のビジョン
BaaS(Banking as a Service)プラットフォームの提供により世界の人々、企業の将来的発展をサポートし、世界平和に貢献していきます。また、母子・父子家庭世帯の子供の為に最大限支援致します。

東小薗さんが平野さんに具体的に求めていた役割はどのようなものでしたか。

東小薗からは「全部」と言われました(笑) 私が社員3人目ということもあったので、何でもやってくれという気持ちはあったと思います。
ただ、自分が経営者だった頃には従業員に対して決して言わなかった言葉を軽々と言って来たので、面白い奴だなと思いました。

当時の平野さんとの違いはどんなところですか。

当時の私は、部下の役割を細かく分けて、あなたは営業、あなたは事務、社長の私はそれ以外の管理全部のような形でした。よく言えば役割分担が明確、悪く言えば部下に裁量権を与えていない経営スタイルです。
東小薗からは金庫番もやってくれと言われ、金庫の鍵やネットバンクのIDとパスワードもすぐ渡されました。初っ端から「そんなに裁量権を与えるのか」と驚いた記憶があります。

【パートナーCFOとの出会い】

縁あって幼馴染みが創業者であるH.I.F.に2019年4月に入社され、パートナーCFO養成塾は2019年8月から受講されていますが、その経緯について教えていただけますか。

当社取締役に畠山和也という方がいますが、この方が、東小薗がエイチ・アイ・エス時代に受講した「澤田経営道場(注3)」の講師であり、加えてパートナーCFO養成塾の第1期生だった、というご縁です。

当時の問題意識として、当社の上場というExitに向けて全体像を知る者が必要であること、そして当社のお客様の企業は財務面が弱いところが多いので、そのサポートができる者も必要だ、ということでした。
畠山は自己啓発のためにパートナーCFO養成塾に通ったそうですが、畠山から紹介を受けてパートナーCFO養成塾頭であり、日本パートナーCFO協会代表理事である高森さんと東小薗が面談しました。その席で、高森代表の「経営の三権分立」の図が東小薗に刺さりました

東小薗は、高森代表の「CEOは理念を唱えるドン・キホーテ」、「COOはオペレーションを率いる番頭」、「CFOは経営管理する参謀」という三角形でバランスを保って会社を成長させていくという話にいたく感心して、私に「会社派遣で受講しろ」ということになりました。

【経営の三権分立】
経営者の仕事は一人ではできない。
CEO,COO,CFOの3人で役割分担。相互牽制。

(注3) 澤田経営道場 はエイチ・アイ・エスの創業者である澤田秀雄氏が立ち上げた、経営人材を養成する公益財団法人。

平野さん自身は経営の三権分立はどう思いましたか

自分が経営者だった頃には全く意識したことがありませんでした。CEOとして私がいたのですが、三角形の下の部分であるCOOとCFOは全く存在せず、完全なトップダウンでした。

社命で受講されることになったわけですが、受講しての感想はいかがですか

経営の三権分立もそうですが、講義一つ一つが理論立てて作られています。私はこれまで経営について因数分解して考えたことがなかったので、目から鱗が落ちる感じでした。
また、社命での受講のため会社への還元が第一ですが、自分自身のスキルアップや人脈拡大にも非常に有益だと思いました。
当社は副業が認められていますし、将来のことはわかりませんが、何か新しいことにチャレンジしたいというときには、養成塾での学びが役に立つと感じました。

【お客様の問題解決能力を引き上げることができた】

養成塾での学びで会社に還元できたのはどんなことでしょうか

一番大きいのは、お客様の問題解決能力を引き上げることができたということです。
私の業務分掌はCFOとCHOなので、基本的には経営管理や会社内部の業務が多いのですが、これに留まっているのではなくお客様も数社担当しています。
あくまでイメージですが、自社のことに6割、お客様のことに4割の力をそれぞれ割いています。

お客様からの相談は財務経理面だけではありません。たとえば人材が足りないことが悩みということであれば、いろいろヒアリングしてそのお客様に最も合った採用戦略と手法を練り、人材紹介会社との窓口をやり、応募者の書類選考まで私がやることもあります。書類選考合格者への面接はお客様にお願いしますが、採用フローの全般にわたり、口だけではなく私も手を動かしてやっています。
パートナーCFO養成塾では、採用や人事制度についても深く学ぶことができたので、非常に役立っています。

H.I.F.株式会社はファイナンスカンパニーだと思っていましたが、かなり幅広く業務を展開されていますね。そのようなトータルのコンサルティングは設立当初から取り組もうとした業務だったのですか。

意図的というよりは、お客様のニーズに応じていくうちに「やるようになった」というのが本当のところです。ファイナンスカンパニーとして、お客様の財務面から見させていただきながらも、より安定的にその会社が成長していけるように全部を見せていただきます。

最初は報酬なしのサービスで提供していたのですが、効果が上がり実績が積みあがってくると、お客様からもフィーを払う価値はあると認めていただき、フィーもいただけるようになりました。
当社としてはファイナンス面も伸びるし、コンサルティング・フィーもいただくことができる。お客様は内部の体制を固めながら成長することができるという好循環になります。

金融機関も貸し出しが伸びない中でコンサルティング・フィーを伸ばそうとしていますが、どこも苦戦しているので、御社のやり方が参考になるかもしれませんね。このビジネスモデルは平野さん以外の社員の方も取り組まれているのでしょうか

ここまでしっかりコンサルティング・フィーをいただているのは、今のところ私だけです。(2020/2現在) 今後はこのビジネスモデルを他の社員にも伝授していく予定です。

【養成塾での学びは自社の課題解決にも有効】

CFO & CHOとして、パートナーCFO養成塾での学びはどんなものがありますか

たとえば、資金調達については、養成塾で学んだ通り、エクイティ(株式)については東小薗CEO、一方デット(借入、社債)については私という役割分担になっています。
エクイティ・ストーリーを語ることができるのは経営トップであるCEOであり、それに対して銀行からの調達が中心になるデットでは、財務経理など社内管理部門を掌握しているCFOが理屈で銀行を説得するということだと思います。

また、先ほどはお客様の採用のサポートをしていると申し上げましたが、当社自身の採用も強化しており、最近私のチームを増員して採用ノウハウを伝授しているところです。

会社のビジョン、ミッション、戦略についてはいかがでしょうか

当社ビジョン(前述)を、ドン・キホーテである東小薗CEOが唱え、そのビジョンを現実化すべく、我々が一緒に走っています。このビジョンを戦略や戦術、組織、事業計画に落とし込んでいくわけですが、パートナーCFO養成塾でも出てきた経営合宿を当社も行い、この落とし込み作業を完了しました。

具体的には、まず長期の計画を作り、そこから中期、短期とバックワードしていき、それに採用計画や上場を見据えた内部統制の体制整備などを織り込んで行きました。この一連の作業をやるに当たり、養成塾で学んだことは非常に役立ちました

ただ、究極的には当社の事業や運営自体は、貧困層への支援という目的のための手段でしかありません。この会社で利益を出して、得たお金で貧困層に対してベーシックインカムなどを行いたいと考えています。

具体的にはどのような仕組みでしょうか

仕組みに関しては、まだまだ試行錯誤中です。たとえば、給食費として出そうとすると、学校や教育委員会から「公平性に問題がある」ということで断られました。寄付であれば学校も受けてくれるかもしれませんが、私たちとしてはそのような漠然としたやり方ではなく、もっと目に見える仕組みを作りたいと思っています。その方が私たちのモチベーションアップにも繋がります。これからも、いろいろ考えていきます(注4)。

(注4)取材後の2020/3/10、ひとり親世帯向けベーシックインカム「H.I.F.ベーシックインカム」をプレスリリース

改めて、パートナーCFO養成塾を受講して良かったと思える点はなんでしょうか

多くの方が、CFOというポジションについては、財務経理面以外はイメージが湧かないのではないかと思います。しかもパートナーCFOはそれを外部の人間として関与するというものです。
中小ベンチャーCFO、そしてパートナーCFOという職種の全体像を知る点で養成塾はよくできていると思います。

また、自分が独立しておらず組織に属している人間ということでは、先ほども申し上げた通り、自社への還元と自分自身への投資という一石二鳥にもなります。

最後に、平野さんにとってパートナーCFOとは何でしょうか。

私の実感としては、縁の下の力持ちです。CFOなどのCxOという肩書は、キラキラしているように見えますが、私は結構手足を動かしてガチャガチャやってしまいます(笑)

<取材・文>第2期生 森本 哲哉
取材日:2020年2月26日

 

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