2020年5月24日

P-CFO 浜村 美香さん

パートナーCFOは財務のプロであり、コミュニケーションもしっかりとれる存在。

「中小企業の社長をサポートできる存在」を増やしていきたい

税理士
浜村 美香(はまむら みか)さん

回ご紹介するのは、パートナーCFO養成塾の第2期生(2019年7~11月)で、日本パートナーCFO協会の共同代表理事でもある浜村美香さんです。

浜村さんは栃木県宇都宮市で税理士として税理士業務事務所経営を行う傍ら、約5年前から(株)ビーサポート(経理代行・経理コンサル業務)の経営も始められました。
浜村さんが税理士として感じてきた中小企業支援の課題やパートナーCFOに期待することなどをお伺いしました。

【プロフィール】
パートナーCFO養成塾2期生
税理士法人浜村会計 税理士。株式会社ビーサポート 代表取締役。事業承継相続税に関する実務経験が豊富で、社長のモチベーションを上げること経営相談を得意とする。
コーチングウェルスダイナミクスの知見を活かし、2019年12月よりエグゼクティブを対象としたディスカッションパートナーとして活動開始。

【税理士は過去の数字に強い。では「今」や「未来」を見る存在は?】

パートナーCFO養成塾に通う前の浜村さんの仕事のことや、どのような課題を持っていたのかなど教えてください。

私は20年以上税理士をやっていて、中小企業の経営者とお会いする中で中小企業はリソースが足りないという状況を見てきました。経理の担当者を置けない会社も多く、社長や奥さんなど家族が、プロでないながらもやっている形の企業が多くありました。
私は、経営には数字的なもの、財務状況、経営状況を知るのは非常に大切なことだと考えていますが、リソースの足りない中小企業では、そのリアルな数字が十分にわからないまま経営をしてしまっているケースもあるのではないかと思うようになりました。

毎月訪問している税理士が手伝ってあげられたらいいんですが、税理士は決算書・申告書を作るプロで、経営のプロではありません。業務上、過去の数字を追っていることが多く、未来の数字に関してはあまり正直ノウハウがない。「経営をする」という意味では、無くてもいい存在なんです。

ビーサポートは経理代行の会社とお聞きしています。そこにつながってくるのでしょうか。

そもそも中小企業の中で数字をまとめられないという課題があるなら、経理をアウトソーシングできるようにすればいいのではと考えました。
ビーサポートは経理代行を行う会社で、当税理士法人の中から経理が得意な社員と一緒に「社外で経理をやる仕組みを作っていきましょう」ということで始めました。1年半ぐらい経ったころ、ようやく「社外でも、経理の人がリアルタイムにオンラインでやっているイメージ」で使ってもらえる仕組みができました。

こうして経理代行の仕組みは出来たけれども、やはり社内での財務責任者としてのアドバイスというのは、別物です。私は経営において、過去や未来のことだけではなくて、今というのもすごく大切だと考えています。その会社の“今”の数字を知り、手伝ってくれる人が社内にしっかりいたら会社はすごく伸びていく、というのが私の持論です。
しかし、今の数字を追っていこうと思うと、基本的には「会社の内部の人間」とイメージを持たれる存在にならないと、なかなか難しい。「外部の人間」と認識されている限りは、社外から手伝っていくというのも限界があるなと思いました。
そこで、はじめに考えたのは会計参与という制度です。税理士が会計参与として登記され、決算書やKPIにも責任を持って一緒に考えていくものですが、こちらはなかなか進みませんでした。その後、どうやったら経理財務の観点から中小企業の社長の役に立てるんだろうと模索する中で、いわゆる社内最高財務責任者であるCFOってどういう人なの?と考えだしました。

【社外・パートタイムでのCFOの道を模索する中で、高森さんの理念に共感。パートナーCFOの道へ】

当時はCFOについてどのように考えていらっしゃったのですか。

経理は毎日やった方がいいけれども、CFOという仕事は正直毎日いなくても大丈夫ではないかと考えていました。そんなに意思決定が必要な事項が毎日毎日起こるわけでもないので。それならば、パートタイムCFOというのが可能だろうと。

CFOに関する情報を探してみたものの、パートタイムCFO、社外CFOというキーワードでは意外にヒットする情報がなかなか無くて。それでも「きっとニーズはある」と思って探しているうちに、高森さんの「社外『パートナーCFO』」セミナーの案内を見つけました。
そこに「一緒に社外CFOを広めていく人を探しています」という風に書いてあったので、「これは一度会わなきゃな」と思い行きました。去年の6月のことです。

高森さんのセミナーを受けてみて、社外CFOとかパートタイムでCFOが成り立つという内容など、高森さんのコンテンツは自分が思っているものにぴったりでした。
その後、個別面談の中で、自分もパートナーCFOというのは必要だと思うこと、一緒に協会などを作って全国に広めていきたいこと、など自分の思いを伝えました。

【養成塾の成果は予想以上。気づきを基に新規顧客開拓】

養成塾を受けていて、特に印象に残っていることを教えてください。

養成塾は、思っていたより良かったです(笑)
正直受講前は、養成塾の概要を見て「知っている、やっているよ」という内容と、「IPOなどは自分には関係ないな」という内容のどちらか、というイメージを持っていました。
特に良かったのは、自分の知っていることが体系化されたことです。CFOの全体像といろんなフレームワークを学び、「今やっているのは、マトリックスのこの部分だな」と意識するようになりました。
例えば、私と同じタイプのパッションで生きている社長には、自分のパッションのまま伝えていけば伝わりやすいけれど、私と逆の高森さんのようなタイプの社長に同じ調子でいくとピンと来ないこともあります。
そういう時にきちんとフレームワークなどを使って説明したり、見える形で残してあげられるツールが、たくさん手に入りました。また、自分が提供しているサービスの中でも「スキルはあるけれどやっていないこと」を見える化できました。

養成塾で体系立てて教わった事によって明確に引き出しが整備されたからこそ、「今回はこれを出します」ということができるようになりました。
例えばコロナ禍の中で、あるクライアントは、もともと財務面を中心に支援していたのですが、財務面での動きが少なくなりました。そんな時には、会議体の整備や社員教育・面談などをやっています。そうしたHR絡みの部分は税理士としては全然関係がないため、今までは支援していませんでした。しかし、人に関しては、これまで自分で学んできたところもあり、パートナーCFOとしてはHRの部分も十分関係があるので、「財務の支援を必要とされていたお客さんだけれども今はHRの部分とかでお手伝いしよう」と自分から提案することも。

今ではこうした提案ができますが、以前は自分の中にいろんなものを持っていても、何をどんな風に提供したらいいのか、はっきりしていませんでした。

私は浜村さんと養成塾の同期でしたが、養成塾の中で、浜村さんが「今までやっていたこれでお金を取れるんですね」と話されていたのが印象に残っています。

Day1の「どういう風にクライアントを獲得するか」という話の中で、高森さんが「メニュー表を作って、このサービスはいくらとホームページに載せています」と言っていたと思います。あれは、私にとっては目から鱗でした。というのも、税理士はいろんなクライアントさんがいるので、あまり金額を明確にできないんです。また、ある程度相場観も決まっています。

養成塾を通して自分が提供できる価値に気づけたので、実際に新しいクライアントを獲得する時に、「自分の能力を必要としてくれている人がいて、価値があってそれを必要としてくれる人に提供するのであれば、ちゃんとした報酬を貰うべきだし、貰えるんだ」という風に考えるようになりました。
パートナーCFO業務に関しては、明確に2時間15万円です、10万円です、と打ち出ししなさいというのがあったので、養成塾を卒業してからはっきり言うようにしました。
私の場合はパートナーCFOのマトリックスの一部分コーチングや会社全体に関する相談だけに絞って、クライアントを2社獲得できました。

おめでとうございます! この2社はパートナーCFOとして入っているのでしょうか。

私の場合は、パーソナルエグゼクティブディスカッションパートナーとして契約しています。自分のナレッジとして財務の相談もでき、コーチング的なことで社長の想いを明確にできる、会社全体の組織体のことも相談に乗れますよ、という風にパートナーCFOの業務の中で自分のできるところだけをピックアップして、売りだしています。

ちなみに、その2社というのは新規のお客様なのでしょうか。

1社は以前から関わりがあったところで、もう1社は全くの新規です。
元々税務のクライアントだった方は定期でお会いした時に、新規の方はある会合でお会いして、社長が「一人では必要なことを考える時間が取れない」「相談相手がいない」といった話になった時「私、相談専門やっていますよ」と。その時にすぐにメニューを出せたことも、良かったと思います。

ある程度高い金額を出していただくので、社長は相談の時間にすごく集中しているし、次の相談までに色々コミットして来るのを感じます。やはりある程度の金額負担は、効果を出すために必要なんだなとも思いました。
そのうち1社は宇都宮でも業歴の長い会社で、創業社長じゃないからこその悩みがあります。財務だけではなく、人との問題というのがすごく大きく絡んでくるんですね。

浜村さんが今関わられている先のように、二代目三代目の経営者の方には関わり代がありそうですね

そうですね。事業承継パートナーCFOとしてもすごく関係あるなと思います。今後の事業展開もそうですし、企業再編や再生など、地方にもM&Aの波は押し寄せてきています。そういう中で、単純に財務、数値だけの専門家というだけではなく、その周辺のいろんな知識を持って、広い視野で相談に乗れる人材というのはすごく貴重かなと思います。
そこには、1社のCFOではない、複数の会社を見ているパートナーCFOならではの良さがあるのではないでしょうか。

パートナーCFOとして複数の会社に関わっているからこそのメリット、とは何でしょうか。

複数の会社に関わっている人だからこそ、知見が豊富というのがあると思います。1社だけにガッツリ関わっていると、やはり視野が狭くなったりする部分もあります。
パートナーCFOというのは何社も関わる中で、いろんな業界で規模が異なる会社を見ていてそれらの経営者の話も入ってきます。そういう意味ではすごくメリットがあるんじゃないかなと思います。

【パートナーCFOは財務のプロであり、社長や社員とのコミュニケーションもしっかりとれる存在】

浜村さんが考えるパートナーCFOとは何でしょう。

私が思うパートナーCFO像は、財務のプロというだけではなくてHR関係、そして全体的に会社のことについて、社長の相談に乗れるような存在です。
結局パートナーであり、毎日会社にいるわけではありません。それでいて会社を動かす大事な事を色々決めていくとなると、社長だけではなく、ある程度社員、少なくとも幹部社員とは対話をする時間というのも必要です。そこのコミュニケーションをしっかり取って、会社の方針を理解した上で財務的に支えていく、という姿勢が必要なのではないかなと思っています。

【中小企業の社長をサポートできる存在を増やしたい】

パートナーCFOに関連して、今後中長期的に目指していることはありますか。

パートナーCFOを増やしていきたいです。パートナーCFOをどんな形で増やしていけば本当に役に立つ人材を輩出して、中小企業やベンチャー企業に繋げて行けるのかというところをしっかり考えていきたいです。
次のステップとしては、私もそうであるようにあのマトリックス(※)の中の全てを自分が持っているわけではないし、自分が提供するクライアント先のニーズとしては自分が持っていないもの、例えばIPOとかが来ても私は対応できないし。となった時にはそこを助けてくれる人材というのが協会の中にもいるので。うまくその協会の中のメンバーをチーム化して、本当に満足してもらえる質をチームで担保して提供していくという仕組みが作れたらいいかなと思っています。

(※)中小ベンチャーCFOの全体像

浜村さんご自身の今後目指すところは何でしょう。ディスカッションパートナーの仕事は今後も増やしていかれるのでしょうか。

私個人としては、これからもその時やりたいことをやり続けられる状態でいたいです。
ディスカッションパートナーというのも、例えばすごくオファーがきたとしても何十件もやらないと思う。別の事が出来なくなってしまうから。
いろんな人と話をして、その人のアイディアを形にしたり、それをできる人と繋げたり…何か常に新しい取り組みをしたいし、する人のお手伝いをしていきたい。

最後に、パートナーCFOに興味を持った方へ一言メッセージがあればお願いします。

パートナーCFOは税理士としての知識を超えるたくさんの分野があり、今ある知識に養成塾での学びが少し加わっただけでも、何倍もの価値となる可能性があります。
税理士業務のプラスアルファとして、クライアントから報酬を頂けるほど価値あるものを提供できるようになるし、もちろん、今のお客様の満足度も高めることが出来ると思う。

また、パートナーCFO財務のプロではなくてもなれる職業です。自分が持っている能力がマトリックスの中の一つでもあったら、大丈夫です。足りない部分が分かれば、さらに学んで自分を高めていくこともできますし、あるいは誰かと組んでいく、助けてもらうという道もあります。
決して、すごく特殊な能力がある人だけがなれるものではなくて、自分を成長させる意欲があれば、そのチャンスの一つとしてパートナーCFOになって頂けたらなという風に思います

<取材・文>2期生 溝上 愛
取材日:2020年4月17日

【浜村さんの仕事道具】

電卓
「すぐ電卓をたたきたくなるんです。パソコンがない時でも、電卓は持ち歩いています」
名刺「自分の思いが詰まってます!」
バーチャル背景「オンライン会議での雰囲気を和らげるきっかけになります」

 

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