2022年8月に第33回P-CFOサロンを開催しました。
今回は脇本 源一(フィリップ証券株式会社 常務執行役員/投資銀行本部長)さんを講師にお迎えして、「IPOのプロが語る、東証の市場再編とTOKYO PRO MARKET(東京プロマーケット)の魅力」というテーマでご登壇頂きました。
2022年4月の東証の市場再編以来、注目度が高まっている特定投資家(プロ投資家)向けの市場「TOKYO PRO Market(東京プロマーケット/以下、TPM)」。
そこで今回は、TPMで約30社の担当J-Adviser(いわゆる主幹事証券会社)をしている“東京プロマーケットのリーディングカンパニー”であるフィリップ証券株式会社で、常務執行役員/投資銀行本部長を務める脇本さんをゲストにお招きしました。
脇本さんは大和証券や楽天証券で数多くのIPOを手掛け、日本国内及びシンガポールでのベンチャー企業の上場業務に携わった後、東京プロマーケット立ち上げにも関わった日本のIPOの第一人者です。
脇本さん曰く、「TPMは中小企業の成長を加速させる最強の武器」とのこと。今回のサロンでは東証の市場再編によりTPMへの注目度が高まった背景から、一般市場との要件の違い、TPM上場する企業の規模や業種の傾向、期間などの実態から、上場した企業にとってのメリット・デメリットまでお話しいただきました。
従来の市場でマザーズ、ジャスダックを目指していた会社の中には、市場再編により行き場がなくなり、「グロース市場へのステップ市場」としてTPMでの上場を目指す企業が増加しているとのこと。また、TPM上場企業の中には地方の中小企業も少なくないそうで、彼らは市場からの資金調達より、上場による「知名度・信用力の向上」を目的にしているケースも多いそうです。上場により、「新規出店時の不動産の質が上がる」「コンペで勝てる」「地元の優秀な人材が集まる」などの具体的な効果が見込めること、また市場の流動性は低いため「上場のステータスは欲しいが株主を増やしたくない」企業にも向いているとのこと。
最後は、「特定投資家層の拡大」や「予測される外国人投資家の注目度の高まり」など、TPMが持つ今後の可能性の広がりについても語られました。
質疑応答では、パートナーCFOのメンバーから「事業承継前後でTPM上場した事例」に関する質問が飛び交い、脇本さんからは様々なケースを元に「誰に事業承継をするにしても、選択肢を広げうるもの」としてご説明頂きました。
参加者からは、「現場での具体的な案件を交えた講義で、理解しやすくイメージが沸いた。自社ビジネスに活用したい」「顧問先へのアプローチの一つになり得る話が聞けてよかった」「後継者支援の際の出口戦略として上場のイメージが身近になった」といった声が寄せられました。
*当協会ではP-CFOサロンを毎月開催。その道の一人者のゲストをお呼びし、P-CFOメンバーへの研鑽と活躍のベースキャンプとなるイベントを定期的に開催しています。
今後もP-CFOメンバーの活動に役立つ情報をお届けしてまいりますので、どうぞお楽しみに!